シュウの戯言




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[6] 【掌編小説】『さよなら、カッペリーニ』

投稿者: シュウ 投稿日:2017年 5月28日(日)00時12分39秒 119-170-91-80.rev.home.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

 唸るような風の音で目を覚ますと、俺の名前はカッペリーニになっていた。
 といっても俺自身にそういった自覚はなく、少なくとも寝惚け眼のままベッドから転げ出て二階の自室から階段を下り、洗面所へと向かう間にキッチンの横を通り掛った瞬間までは、いつもの日常と変わりない朝の始まりだと信じて疑わなかった。
「おはよう、カッペリーニ」母の声が俺を捕らえた。
「おはよう」と反射的に返し、洗面所で顔を洗う。
 なんだか喉が焼けるように痛い。季節の変わり目だから、風邪をひいてしまったのかもしれない。
 キッチンへ引き返してくると、トースターが甲高い音で合図を送り、姉が中から食パンを二枚取り出して皿に載せている所だった。父がネクタイを締めながらこちらを振り返る。
「おはよう。今日は早いな」
「……おはよう」
 何かが変だ、と思いながら椅子に座る。
「母さん」
 目玉焼きを半熟で焼き上げることに集中している母に声を掛けた。
「さっき、俺に何か言ってなかった?」
「何かって、何よ」
 片眉を吊り上げながら、母は俺の顔を見て首を傾げた。俺も負けじと首を傾げる。卵の焼けるいい匂いが鼻を掠めて腹がぐうと鳴った。
 姉が隣に腰を掛けて、俺の前にコーヒーカップを置いた。
「どうしたの? 寝惚けてるんじゃない?」
「うーん」
 確かに、まだはっきりと目が覚めているとは言い難い。俺はカップに口を付けてブラックコーヒーを一口飲んだ。
「あちっ」
 あまりの熱さにカップを勢いよく置いた瞬間、カップが傾いて倒れた。
 白いテーブルクロスの上を、黒い液体がどっと勢いよく流れていく。
「あぁ、もうっ」姉が慌てて立ち上がった。「何やってんのよ!」
 その叫び声で父もようやく事態に気付き、新聞紙をテーブルの上から退避させた。
「だって、熱過ぎだよ。俺が猫舌なの知ってるだろ」
「ホントに、カッペリーニはおっちょこちょいなんだから!」
 姉が言った言葉に、俺は眉を顰めた。
「ほら、今言ったろ。今度は姉ちゃんだ」
「何が? いいから、自分が溢したんだから自分で拭きなさいよ」
 腑に落ちないが仕方ない。俺は立ち上がって布巾でテーブルの上のコーヒーを拭き始めた。
「あらあら、コーヒー溢したの? 大変。後は母さんがやっとくから、早く食べなさい。遅刻するわよ、カッペリーニ」
 皿の上に載った目玉焼きが俺を憐れむように見上げていた。
 今日はエイプリルフールだったか。いや、違う。台風が日本列島を直撃しているこの季節に、アメリカの文化のように冗談を言っても許されるという日があったという記憶はない。
「さっきから何の罰ゲームだよ。俺、何かした?」
 堪らずに不快を顕にした俺のことを、三人が不思議そうな顔で見る。
「どうしたんだ? 早く食べなさい、カッペリーニ」と新聞を読みながら父。
「熱でもあるんじゃないの。何だか様子おかしいよ、カッペリーニ」と目玉焼きを頬張りながら姉。
「カッペリーニが猫舌なのは、お母さん譲りねぇ」と嬉しそうに母。
「俺は、そんなふざけた名前じゃない」
 立ち上がって、家族を睨み付けた。家族がよってたかって俺の事をいじめるなんて、どうかしてる。冗談にしても度が過ぎる。
「どうしたんだ、カッペリーニ」
「どうしたの? カッペリーニ」
「早く食べないと、本当に遅刻しちゃうわよ、カッペリーニ」
「ふざけるな! そんな名前で俺を呼ぶな!」
 叫んで、俺はキッチンを飛び出した。何故だかとても悲しくなって、俺はパジャマのまま玄関へと向かう。
「おい、どうしたというんだ」慌てて父が追い掛けてくる。「落ち着きなさい、カッペリーニ」
「やめろ、やめろ! 違う! 俺の名前は……」
 靴を履いて外へ飛び出た。
 チクショウ、馬鹿にしやがって。息を弾ませながら家の前の道をうろうろと歩く。気持ちを落ち着けようと深呼吸を繰り返しながら家族が自分にした仕打ちに対して悪態を吐いていると、小石に躓いて道路の真ん中にふらふらと吸い寄せられてしまった。
 次の瞬間、何か巨大な物がすごいスピードで近づいてくる気配がして振り返ると、目の前に車のボンネットがあって、俺はそこに頭を思い切りぶつけた。めきっという音がしたような気がした後、嵐の作り出した曲がりくねった黒い雲の渦が視界一杯に広がり、そこで俺の意識は無くなる。

 ***

「……このひき逃げ犯はまだ捕まっておりません。視聴者の方の情報をお待ちしております」
 ワイドショーの司会の男がカメラに向かってそう言った。
 スタジオの端にある巨大スクリーンには、ひき逃げ犯の物と思われるセダンタイプの黒い車の写真が写っている。
「家の前で体操をしている時に轢かれるなんて、被害者の少年も思ってもみなかったでしょうね」
 女性キャスターが真剣な面持ちでコメントを添えた。
「さて、次は巷で流行している奇病についてなんですが。こちらをご覧下さい」
 出されたフリップには『奇病』の特徴が書かれている。それを女性キャスターが一つ読み上げる度、コメンテーター達から失笑が漏れた。
「えー、この通称『スパゲティーニ症候群』なんですが、主な症状と致しましては、人の名前を呼ぶと必ずパスタの名称になってしまうという――」
「馬鹿らしい!」
 女性キャスターの言葉を遮って、物理学者の三河教授が叫んだ。
「医学的にも物理学的にもあり得ない。大体そんなおかしな病気、この長い歴史の中で一度だって……いや、待てよ。今まで発見されなかったからこそ奇病の奇病たる所以なのか。そうか、私も一度見てみたい。その奇病とやら、実に面白いじゃないか」
「三河先生、貴重なコメントありがとうございます」司会の男が、苦笑を顔に貼り付けたまま続けた。「パスタの名称というのは確かに面白いですね。今までに確認されているのは『スパゲティーニ』、『リッチャレッレ』、『リングイネ』。そして、『カッペリーニ』……」
「カッペリーニ!」三河の隣に座っていた太った女性が突然、叫んだ。
「アハハハハハ! カッペリーニ!」そのけたたましい笑い声のせいで、突如辺りが静まり返った。三河も立ち上がって身構えている。
 まさか、これが噂の奇病なのではないか。そんな不安が誰しもの脳裏に浮かんだに違いない。
「ど、どうかなされましたか? 料理評論家のカッ――」司会の男が咽る。「ゴホッゴホッ。失礼。水を……」喉の調子がおかしいのか、スタッフから水を受け取ると一気に飲み干す。
 女性キャスターがフォローをするように笑顔で尋ね直した。
「料理評論家の加藤先生、どうされました?」
 その問いに、加藤はその巨大な頭にちょこんと乗せた可愛らしい帽子を触りながら、胸を張って答えた。
「カッペリーニなんてパスタ、ございません。間違っていますわ。こんな奇病が嘘っぱちという証拠でございます」
「……え? でも私、この前食べましたよ。カッペリーニ」
「正しくは、カペッリーニと発音するのが正しい。カッペリーニって言いましたら、あなた……アハハハハハ!」この笑い方は奇病のせいではなく、持ち前のものらしいと分かると、三河教授はようやく席に戻った。
「これこれ」と加藤は丸太のような太い腕を伸ばして、自分の頭の上を指差した。「お帽子のことでございますわよ! ねえ?」
 加藤が三河の背中を叩くと、その体は大きく前のめりになって勢いよく眼鏡が飛んでいった。それは机を飛び越えて司会者の足元に落ちる。
「私の眼鏡が! あり得ない。入射角四十度に対して反射角が大き過ぎる。どんなふうに背中を叩かれたら私の頭部にこんなエネルギーが伝達して、まるでミサイルのように眼鏡を飛ばすというのだ! 加藤さん、すまないがもう一度」指を一本立てながら加藤を振り返った。加藤は相変わらずカッペリーニを連呼しながら笑っている。
「ほ、ほう! そうなんですか! 帽子のことなんですか! 勉強になりました。お陰でこの奇病がただの都市伝説である可能性がぐっと高まったわけですね。これで安心して眠れます」
 司会が眼鏡を三河の手に握らせながら上手くまとめたところで、次のコーナーへ移れとの指示がスタッフから出された。女性キャスターが慌てて「次は、お天気です」と言うと、巨大スクリーンには日本列島を縦断している台風の勢力図が映し出された。
「各地への台風の影響が気になりますね」司会の男が喉元を押さえながら続けた。「中継が繋がっております。そちらの様子はどうですか? 現場のカッ――」またもや咽る。スタッフが持ってきたコップを奪うように受け取り、中の水を飲み干した。
 女性キャスターが心配そうにその様子を見つめている。
「ちょっと、大丈夫ですか? 風邪も流行っているみたいです。皆さんも気をつけてくださいね。それでは、気を取り直しまして、台風の様子はどうでしょう?」
 彼女のはきはきとした明るい声が、全国中のお茶の間に流れた。
「現場のカッペリーニさん?」

 <了>




[5] 【掌編小説】『駄菓子屋』

投稿者: シュウ 投稿日:2017年 4月22日(土)09時46分50秒 119-170-91-80.rev.home.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

「おっちゃん、ガムひとつ」
 古ぼけたレジカウンターの奥で、男は新聞からゆっくり目を上げ「五十円」と答えた。少年が黄色いがま口の小銭入れから、ぎこちない手つきで百円玉を取り出して渡す。
 お釣りを渡しながら「ありがとう、またな」と言うと、少年はにんまり笑ってガムを握り締め、店を飛び出していった。
 春らしい暖かな陽射しが軒先を照らしている。近くの公園にある桜並木は店内から眺めることは出来ないが、散った花びらが風に乗って店先を通り過ぎていく度に、その存在を確かめることが出来た。
 男は欠伸をひとつ噛み締めたあと、新聞に目を戻し、遠くの国で起きている戦争の記事を読んだ。いつの時代にも何処であろうとも、平和というのは脅かされるものである。他人事のように「こわい世の中だなあ」などと呟けるのは、まだ彼を取り巻く世界が平和な証拠だとも言えた。
 しかし、この小さな駄菓子屋にも、脅威は突然やってきた。
「おい、駄菓子屋」
 呼ばれて再び新聞から目を上げると、店の入り口に小太りの男が立っていた。
「いらっしゃい」
 気さくに声を掛けてとりあえず笑ってみた。しかし相手はにこりともしない。目だし帽を被っていて表情が分からないのだ。唇だけがむっくりと膨らんで見えるので、なんだかお化けのQ太郎みたいだな、と男は思った。
「おとなしく言うことを聞けば手荒な真似はしねえ」
 そう言うと、Q太郎はポケットから素早くナイフを取り出して男へ向ける。
「な、なんですか」
 上ずった声でそう言い、両手を上に挙げた。新聞がカサカサと音を立てて足元に落ちた。
 Q太郎はナイフを持っていない方の手で大きな黒いキャリーバッグをカウンターに置くと、あごを突き出して男を促した。「早くしろ」
 誰かが入ってこないか確認しているのだろう。時折、店先に目をやっては落ち着き無く視線をさ迷わせる。その隙を狙って逃げるという選択は、この狭い店内ではとても選べそうになかった。
 レジを開け、男は黙ってQ太郎の言うことを聞くことにした。キャリーバッグのジッパーを引っ張り、中に金を入れていく。しかし駄菓子屋の売上金なんてたかが知れている。どうして俺がこんな目に遭わなければならないのだ、と男は首を傾げながら金をかき集めた。
「おい、なにやってんだ!」
「え?」
 突然大声を出されてキョトンとする。
「それじゃねえ!」
 男はその言葉の意味を一瞬で悟り、青褪めた。
「まさか、あんたの狙いは、アレか」
 Q太郎の目だけが、ニヤリと笑う。
「アレは祖父から受け継がれてきた家宝だ。渡すわけには……」
「いいから、早くしろ! 死にてえのか」
 Q太郎のナイフが光った。男は額の汗を拭った。刺されたら痛いだろうなぁ、と思ったら急に怖くなってきた。
 じいちゃん、ごめん。
 心の中で手を合わせながら、男はカウンターの一番奥に飾ってあった招き猫の置物に手を伸ばした。大きさはサッカーボールぐらいなのだが、結構重い。純金で出来ているからだよと、しわくちゃの顔で笑っていた祖父の顔が思い出された。男は泣きそうになりながら、なんとかそれをキャリーバッグに納めた。
「大事にしてくれよ」
 懇願するように両手を合わせて言ってみたが、Q太郎はバッグの中のそれを不思議そうに見つめている。
「なんだ、これは」
「うちの家宝ですよ。幸運を呼ぶ招き猫。商売繁盛、家内安全、無病息災」
「てめえ!俺をおちょくってんのか」
 勢い良く首を横に振って、男は情けなくまた手を挙げた。そりゃあ確かに、こうやって強盗に入られている時点で、幸運を呼ぶ招き猫が眉唾物だと思われても仕方ない。
「本物ですよ!」半ばやけくそになって叫ぶ。
「そうじゃねえ、俺が入れろって言ったのはアレだ」
 Q太郎は店内に置いてあった箱を指差した。
「アレですか?」
「そうだよ。バッグに詰めろって言ったら『うまい棒』に決まってるだろうが!」
「ですよね」
 男は頷いて、招き猫を元の位置に戻した。
「一本残らず入れろ。あるだけ全部だぞ」
「はい」
   ◆
 Q太郎は、駄菓子屋の店員がせっせとキャリーバッグに『うまい棒』を詰めているのを確認すると、ほっとしてひとつため息をついた。店先を掠める桜の花びらを見つめながら、どうして自分はこんなことしているんだろうと目を細める。
 野球に打ち込んできた青春時代の思い出が蘇ってくる。どこで間違ったんだろう。俺はこんなことをする人間じゃなかったはずなのに。
 最後に野球をやったのはいつだっけ――。
   ◆
 ――遂に、俺の打席が回ってきた。
 2対5。9回裏、ツーアウト満塁。逆転のチャンス。
 ここで俺がホームランを打てばそれで決まりだ。
「やるぞー!」
 気合を入れて、俺はバットを握る手に力を込める。バッターボックスに入ると、武者震いがした。緊張を解すため、俺は軽くバットを振ってみる。体が驚くほど軽い。今ならどんな球でも打てそうな気がする。そんな予感が俺の頭を支配した。突然視界が晴れて、自分を取り巻く時間の流れがゆったりと感じられる。いける。いけるぞ。
 一球目。
 ストライクゾーンに入っていたが、俺はわざと見送った。緩いカーブだった。俺の目は確実にボールを捕らえている。
「ちょろいぜ」
 呟いて、ピッチャーを睨んだ。
 二球目。
 俺はまたわざと見送った。ハエが止まりそうなほど単純なストレート。
「俺をおちょくっているのか?」
 ピッチャーを挑発して、俺は余裕の笑みを見せた。
「次は打つ」
 バットを長く持った。でかいのをぶちかましてやる。
 三球目が飛んできた。
 またストレートだ。俺は躊躇わず、ボールのど真ん中目掛けて思い切りバットを振った。
 カキン! と気持ちの良い音がグラウンドに響いて、白いボールは青い空に吸い込まれるように一直線に飛んでいく。
「やった!」
 俺はガッツポーズを取って空を見上げた。確実に捕らえた。
 逆転サヨナラホームランだ!
   ◆
「あの、入れましたけど」
 男の声でQ太郎は我に返った。
「入れたか。ご苦労」
 Q太郎はバッグを持って駄菓子屋を飛び出した。予め用意してあった自転車に跨ってペダルを踏む。しかし、意外に重いバッグのせいで思うように前に進まない。たかが『うまい棒』だと思って侮っていた。
 いつの間にか駄菓子屋が店の外に飛び出て、何かを叫んでいる。
「強盗だ! 誰か、その男を捕まえてくれ!」
 八百屋や床屋から人が飛び出てきた。
 やばい。ここで捕まる訳にはいかない。なんとしても逃げるんだ。Q太郎は自転車から降りて走り出した。
 駄菓子屋が後ろから追いかけてくるが、野球で鍛えられた俺の脚には敵うまい。
 左からタックルしてきた八百屋を避け、右の床屋へフェイントをかける。ちくしょう、捕まってたまるか!うまい棒は全部俺のもんだ!
 そのときだった。何の前触れも無く、頭にものすごい衝撃を感じ、Q太郎はその場に倒れこんだ。
「イテテテ……何だ……」
 あれ? うまく喋れない。
 意識が遠くなる瞬間、遠くで「ファール!」と誰かが叫んでいるのが聞こえた。
「捕まえたぞ! 観念しろ」
 既にぐったりとしているQ太郎の襟首を捕まえて、駄菓子屋は誇らしげに床屋と八百屋に向き直った。
「何かがソイツの頭に当たったように見えたけど、気のせいかな」床屋が言った。
「いいや、確かに何か飛んできた」八百屋も同意する。
「きっと神様の罰が当たったんだな。やはり悪いことは出来ないってことだ」
 駄菓子屋は、取り戻した『うまい棒』の入ったバッグを見つめながら、この逆転勝利に酔いしれていた。
 やっぱり平和だなぁ。世の中は。
   ◆
 ――え?
「いやあ、惜しかったですね。ファールです」
 応援団兼解説の山下君がマイクに向かってそう言った。
「ファール?」
 俺は思わずコケそうになりながら、審判に抗議した。審判はピッチャーの中村君のお父さんだ。
「おじさん、ちゃんと見てたの? 息子のチームが負けそうだったからってひいきしちゃダメだよ!」
「いいや、ちゃんと見た。今のは確かにファールだった。いい当たりだったけどね」
 中村のおじさんは、肩をすくめて見せた。
「でもさ、ちゃんとスーパー川口屋の方に飛んでいったでしょ?」
「飛んでない。あの方向は……駄菓子屋だな」
「嘘だ!」思わずバットを地面に叩きつける。
「悔しいなら、また打てばいいんだ。チャンスはまだあるんだからね」
 2対5。9回裏、ツーアウト満塁。
「さあ、追い詰められましたね。一体、勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか」
 山下君の解説に後押しされるように、俺は項垂れて再びバッターボックスに入った。絶対ホームランだったのに。ひいきしたんだ。これだから大人ってやつは……。
「中村君、勝負だ! 俺がホームラン打ったら『うまい棒』3本な」
 ふっと笑って中村君は振りかぶった。
 白いボールがストライクゾーンへ向かって飛んできた。
 俺はそれに目掛けて、思い切りバットを叩きつける。
 桜の花びらを纏ったあたたかい風が、俺の鼻先を掠めた。

   <了>



[4] 【掌編小説】『名探偵の素質』

投稿者: シュウ 投稿日:2017年 1月22日(日)20時25分10秒 119-170-91-80.rev.home.ne.jp  通報   返信・引用

 しばらくの間、ロビーのざわめきがおさまる気配はなかった。
 人里離れた山奥のペンションに集められた十数人の面々の様子を順番に確認しながら、私は数回、意識的に腹式呼吸を繰り返した。充分に息が整ったところで一気に空気を吸い込み、全員に聞こえるように声を張り上げた。
「皆さん、落ち着いてください」
 常日頃から発声練習を欠かさないのは、最初の発言にインパクトを与える為だ。その場に居る全員の視線が集まるのを待ってから、用意していた次の言葉を、今度は少しトーンを落として伝える。
「犯人はこの中に居ます」
 はっと誰かが息を呑む音が聞こえた。
 私は床の一点に視線を集中させたまま、ゆっくりと右腕を折り曲げて肘を左手の上に乗せ、あごに親指の腹を当てた。頭の中で状況を整理するときの私のくせだ。皆が固唾を呑んで私の次の言葉を待っているのが分かる。
 まあ、慌てないで。事件はきっと私が解決してみせる。
 205号室に宿泊していた男性客が刺殺されていたのが発見されたのは、午前九時を少し回った頃だった。前日に「明日は早起きをして登山へ出掛けるから六時に起こしてくれ」と頼まれていたペンションのオーナーが、指定された時間きっかりに部屋に内線電話を掛けたのだが、電話が故障して繋がらなくなっている事に気が付いた。野生の動物が電線を悪戯するからなのか、停電や電気系統の故障は日常茶飯事である。慌てて対処をせずとも、三日もすれば定期点検を頼んである業者が来て修理をしてくれるはずだ。
 オーナーは仕方なく扉をノックして起こそうとしたのだが、返事がなかったため、それから三十分おきに声を掛けていた。九時になり、七回目のノックでも起きないとさすがに心配になり、マスターキーを使ってドアを開け、ベッドの上で胸を一突きされて死んでいる男を見つけたという経緯だった。
 私は落ち着いて現場を確認し、自分が犯人だったら、というシミュレーションを頭の中で行ってみた。私が犯人ならどうする? どうやって犯行を?

 ――夜更け過ぎ。皆が寝静まった頃を見計らって、予め用意しておいたレインコートを羽織り、自室から抜け出す。まずは一階のキッチンへと忍び込み、皮製の手袋を装着してから、食器棚からアイスピックを手に取った。凶器の出所というのは思わぬところで犯人に繋がる可能性があるため、持ち歩くよりも現場で調達した方が安全なのだ。
 次に一階の奥にある管理室へ向かい、コルクボードに無造作に掛けてあるマスターキーを手に入れた。やれやれ、実にずさんな管理だ。
 足音を忍ばせて205号室へ向かい、鍵を開けて中へ入る。この部屋の宿泊客は夕食時に周りが制止するのも聞かず、高級なワインをがぶ飲みしていたため、泥酔してぐっすり眠っていることは容易に推測できた。予想通り、男は大きな鼾をかいてベッドに横たわっている。躊躇わず馬乗りになり、男の両腕を真っ直ぐに伸ばし膝の内側に挟んで固定した。ポケットからハンドタオルを取り出して、だらしなく大きく開いた口いっぱいに押し込む。タオルは唾液を吸って膨れる為、こうなると手を使わなければ取り出すことはまず不可能だ。一時的に大きな声を出させない対処としては、これで充分である。素早く左胸の上に垂直にアイスピックを立てる。左手で柄の部分を掴み、右手の平で押し込むような形で全体重を掛け一気に突き刺すと「うっ」という短い呻き声を上げて、男は目を見開いたままあっけなく絶命した。アイスピックを引き抜くときに血飛沫を浴びてしまったが、レインコートを着ているので平気である。あとで、凶器と一緒に山奥へ捨てに行けばいい。
 机の上から男の部屋の鍵を取っておく。部屋を出てから鍵を掛けた。こうして密室を作り出したのはもちろん、死体が発見されるのを遅らせる為だ。マスターキーの方は管理室の元あった場所へ戻したあと、ペンションの外へ出る。自分の車も含めて、全ての車のタイヤにアイスピックで穴を開けた。ついでに配電盤から伸びている配線も全て切っておく。このペンションは携帯電話の電波も届かない山奥の為、備え付けの電話以外、外への通信手段はないはずだった。これで、すぐに警察を呼ばれることはない。
 それからレインコートを脱ぎ、凶器と一緒にゴミ袋へ放り込むと、適当に山道を下り、証拠の詰まったゴミ袋を雑木林に向かって投げ棄てた。
 気配を忍ばせたままペンションの自室へ戻る。夜が明けるのを待ってから、返り血が手や顔、特に自分に見えない場所に付着していた場合を想定して、念入りにシャワーを浴びる。すっきりと頭を覚醒させると、最後の仕上げに取り掛かる。ロビーへ向かい、何人かの宿泊客とコミュニケーションを取るのだ。にこやかに話題を振り、爽やかに受け答え、気さくで良い人物という印象を与えるだけでなく、常に話の主導権を握ることで場を掌握する。
 数人と話していれば、隙のある人物や癖のある人物というものが見えてくる。そういう狙いやすい人物の一人に近付き、その人物のカバンに205号室の鍵を放り込むのである。小説やドラマではなかなか思い通りの展開にならないものだが、警察は結局、物的証拠をもっとも重視する。犯人がいくら弁解をしようとも、多少辻褄の合わない言動があろうとも、証拠さえあればその時点でアウトだ。
 やがて、205号室から遺体が発見される。“電気系統の故障”のため、警察へ連絡する手段がないことがすぐに判明するだろう。車が動かせない状況であることも誰かがすぐに気が付く。こうなれば宿泊客たちは皆パニックに陥るはずだ。
 そこで、私の出番だ。
「皆さん、落ち着いてください」
 今から私は、現場検証を行い、物品の一つ一つを手掛かりにしながら、犯人が取った行動を逐一推理していく。そして、最後に或る人物の名前を発表する。その人物に『205号室の鍵』を自分自身でカバンから取り出させることで、指紋の付着した物的証拠が完成し、私の計画は完璧になるのだ。
「犯人はこの中に居ます」
 はっと誰かが息を呑む音が聞こえた。

   <了>



[2] 【掌編小説】Ombrello (オンボレロ)

投稿者: シュウ 投稿日:2016年12月18日(日)11時22分1秒 119-170-91-80.rev.home.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

 夕暮れの外を歩いていると、突然雨が降り出してくる。
 ほんのりと熱を帯びた、湿気の多い風が吹き始めたのを肌で感じた直後のことだった。首元ではじける水の感触に驚いて天を仰ぐと、黒い雲が山の麓から頂に沿って拡がっていくのが見えた。マーマレード色の太陽が覆い隠されていく。荷物を庇いながら慌てて傘を差し、大粒の雫から逃げるように速足で歩いていると、後方からぴちゃぴちゃと音を立てて誰かが近付いてくる気配を感じる。ふと振り返ると、一人の少女が傘も差さずに走っていた。体中びしょ濡れで、雨宿りできる場所を探しているのか、小動物のように目をキョロキョロと動かしている。セーラー服を着ていることや時間帯から考えると、下校中なのだろうと推測できた。
 私は、今差している傘の他に、カバンの中に折り畳み式の傘がもう一本常備してあったことをふと思い出した。水溜りに落ちた猫のように情けない表情で駆けてくるあの少女は、見ず知らずの他人ではあるが、困っている人を見掛けたら助けるのが大人ではなかろうか。いや、人というものは助け合わなければならぬ。情けは人の為ならず。
 急いで手提げカバンのジッパーを引っ張る。中から傘を取り出し、私は軽く手を振ってその少女を呼び止めた。
「ちょっと、君」
 突然声を掛けられて驚いたのか、びくっと大袈裟に体を震わせて立ち止まり、少女は恐る恐るといった様子で私を見上げる。
「傘をお持ちなさい」
 にこりと笑って私が傘を差し出すと、彼女は少し考えて、ふるふると首を横に振った。肩の高さに綺麗に切り揃えられた髪に染み込んでいた雨の雫が、ぴしゃりと音を立てて激しく飛び、私の手を濡らす。
「知らない人から物を貰ったり借りたりしてはいけないといわれています」激しい雨の中でもよく通る声で、彼女はハキハキとそう言った。
「いや、でも」
 面食らって私が言い淀んでいると、彼女は軽く会釈をした後、私を追い越してまた走り出した。
 呆気に取られたままそのうしろ姿を目で追う。彼女が見えなくなってから我に返ると、右手の上の折り畳み傘が妙に重く感じられた。私は何故だかすこし悲しい気持ちになって、差していた傘を下ろし、雨のつぶてをその体に受けてみた。しばらくその場に突っ立って、あの少女と同じように頭のてっぺんからつま先までびしょ濡れになった後で、一つくしゃみが出た。
 それを合図にしたかのように、雲の切れ間から夕日が顔を覗かせる。まるで笑われているようで酷く惨めな気持ちのまま、私は傘を二本持って家路に就いた。

 ***

 やはり傘を借りるべきだったと後悔したのは、走って路地を曲がった直後だった。
 突然降り出した雨に打たれ、あたしは思わず顔を顰める。水を弾かない制服の生地が、肌にべったりと張り付くのを感じた事もその原因のひとつではあったけれど、傘を貸してくれようとした彼の善意を断ったことこそが何よりも悔やまれた。
 たとえば、ゆっくりと丁寧に地面を濡らす霧雨が水槽の中を泳ぐ金魚だとしたら、今のこれはまるで泥水の中を牙を剥いて這っているワニや、血の臭いを嗅ぎ付けたピラニアのような獰猛さを伴った、凶暴な雨だった。地面の上に叩きつけられた雫が跳ね返って、あたしの靴の中に容赦なく入り込んでくる。足を一歩踏み出す度にきゅっ、きゅっ、と水の擦れる音が鳴った。
 今ならまだ、彼を追いかけることが出来るだろうか。
 濡れた髪の毛に鼻をくすぐられて情けない気持ちになり、私は急に心細くなった。今思えば、どうして傘を借りる事を頑なに拒んでしまったのか疑問に思う。彼の親切を無下にしてしまった事が、どうしても気に掛かる。
 あたしは足を止め、三秒間たっぷりと考えた後、踵を返して走り出した。
 雨の中、来た道を戻って路地を曲がる。彼の姿はとうに無くなっていた。あたしは彼を捜す為にキョロキョロと視線を動かしながら、ぬかるんだ地面を必死に蹴った。水が四方に飛び散るのもお構いなしに、あたしは走り続けた。
「ちょっと、君」
 道の脇に佇んでいたスーツ姿の男性が、急に手を挙げてあたしに声を掛けてきたので、驚いて蹴躓きそうになる。あたしは立ち止まり、恐る恐るその人を見上げた。
「傘をお持ちなさい」
 にこりと笑って、彼はあたしに折り畳みの傘を差し出す。ここで傘を受け取ったら、何の為にここまで戻ってきたのか分からない。あたしは少し考えるふりをして、ふるふると首を横に振った。
「知らない人から物を貰ったり借りたりしてはいけないといわれています」
 誰だか分からない人に声を掛けられた時に、相手の気持ちを挫く為の最善の言葉を選んだつもりだった。出来るだけはっきりとした口調で、あたしはそう伝えた。
「いや、でも」男性はさすがに面食らった様子で眉間に皺を寄せている。
 あたしは小さく会釈をし、その人を追い越して再び走り出した。急がなければ。彼はまだ遠くには行っていないはずだ。
 次々と与えられる水の礫の感触や、じっとりとした服の重みが無ければ、濃い霧の中のように感じられるほど視界が悪かった。決して長い距離は走っていない筈だけれど、必要以上に足を動かしている気もする。滝の流れに抗う鯉の如く、口をぱくぱくと開きながら、もがくように前に進んでいると、程なくして道の脇にあざやかな青色の傘が揺れているのを見つけた。私は「先輩」とまるで助けを求めるように叫んだ。
 雨音のせいで気付かないのか、彼はペースを落とすことなく歩き続けている。走ったせいで胸が苦しい。横腹が痛い。あたしは呼吸を必死に整えながら、雨粒を押し退けるように腕を振りかざし、もう一度大声を張り上げた。
「先輩ってば!」
 目の前で揺れていた傘の動きがぴたりと止まって、彼はゆっくりとこちらを振り返った。あたしがこれだけびしょ濡れで、ぜいぜいと肩で息をしているのとは対照的に、彼はシャツの袖すら濡らさず涼しげな顔であたしを見下ろしていた。
「おや」と彼は落ち着き払った声で首を傾げる。「どうしたの」
 可憐な少女が目の前で雨に打たれているのを見れば、普通なら自分の持っている傘をそっと差し出してくれても良さそうなのに、彼はそれをしない。見ず知らずの人でさえ、あたしに傘を貸してくれようとしたというのにだ。ようやく胸や横腹の痛みが治まってきたので、あたしは彼に罵声の一つでも浴びせてやろうとしたけれど、適当な文句を思い付かずに口をあわあわと動かすだけにとどまった。
「忘れ物?」
 彼が尋ねてきたので、あたしは口を噤んで、こくん、と頷いた。
「傘を」
「傘? どこに忘れたの」彼は不思議そうな顔をして続けた。「君は、今日、そもそも傘を持ってこなかったんじゃなかったっけ。天気予報では夕立が降ることを降水確率という便利な表記で教えてくれていたというのに、君はあろうことかそれを無視して、手ぶらで学校へ来たはずだ」
 偉そうな説教は聞きたくなかった。あたしは悲しそうに彼を見つめ、目で訴えた。ついでに彼の差している傘に人差し指を立てた。
「だから、家に傘を忘れたんです」
「だったら早く帰った方がいい。君の家は向こうだろう」
 先輩は私の立てた人差し指を、反対の方向へと向け直す。
「いや、さっき、先輩は言ってくれたじゃないですか」あたしは口をもごもごと動かして、濡れた髪に手を当てた。耳が少し熱い。「雨が降りそうだから傘を貸してくれるって。だから――」
「確かにさっきはそう言ったけれど、あれは雨が降り出す前だ。それに、君は要らないと言わなかった? 家はすぐそこだから、走って帰りますと言って突然駆け出した」
「気が変わったんです」咄嗟に言い返す。
「じゃあ、何だい。君は僕に濡れて帰れとでも言うのか」
 ふるふると首を横に振って、あたしは彼の顔を真っ直ぐに見つめた。雨音がまだうるさかった。そのおかげで、どくんどくんと激しく叩く胸の鼓動や、緊張のあまり唾を何度も飲み込む音が彼に気付かれることはないだろうと思った。
「本当に、すぐそこなんです。あたしの家」
「それはさっき聞いたよ」
「あたし、今日、傘を忘れたんです」
「それも知っている」苛々したように、彼は「何が言いたいんだ」とため息混じりに呟いた。青色の傘が、くるくると回った。
「お、お、お」私は唇を突き出して、勇気を振り絞る。「送ってください」
 恥ずかしくて俯いた後、恐る恐る顔を上げて彼を見上げる。その顔は、あたしの言葉が届いたのか届いていないのか分からない無表情のままだった。しばらく無言が続いたので、きっと聞こえなかったのだと思い、あたしは再び口を開く。
「お、お、お――」
「なぜ?」
 彼の言い放った言葉に、あたしは口を尖らせたまま固まった。この鈍感な先輩に、今こそ自分の気持ちをはっきりと伝えるべきなんじゃないかと、思った。雨が突然降り出さなければ、あたしはこうして先輩と向き合う勇気すら出なかったかも。そう考えれば、この夕立も、あたしが傘を忘れたことも偶然ではなく必然だったような気がした。思い切って告白した末に振られたとしても、雨が気持ちを洗い流してくれるかもしれない。雨が、あたしの分まで泣いてくれるかもしれない。
「先輩」とあたしはごくりと喉を震わせて、深呼吸を繰り返した。気持ちを落ち着かせようとすればするほど、鼓動はどんどん速くなった。
「ずっと前から、言おうと思っていたんですけど……」
 その時、遠くで誰かのくしゃみが聞こえた。それを合図にしたかのように、突然黒い雲の切れ間からマーマレード色の太陽がひょっこり顔を出す。周囲を取り囲んでいた音が急速にしぼんでなくなり、ワニやピラニアは祖国の川へ帰っていった。びしょ濡れの服の重さだけが後に取り残された。
「おや」彼が落ち着き払った声でそう言い、青い傘を下ろす。「雨が上がったね」
「上がりましたね」とあたしも呟く。
「で、何か僕に言いたいことがあるんだっけ」
「えっ」
 気付けば、雨と共に勇気もどこかへ行ってしまったらしい。あたしは苦笑いをしながら、濡れた髪を乾かす為に頭を犬のようにふるふると振った。
「いや、なんでも、ありません」
「そう」いつものそっけなさで冷たく言い放ち、先輩は「あ、そうだ。僕は傘を差す必要が無くなったんだけど、これ、貸そうか?」とあたしに傘を差し出した。
「要りません!」
 あたしは頬を膨らませ、先輩に背を向けて走り出す。雨上がり特有の土の匂いが、柔らかい風と共にあたしを包んだ。重たい制服に負けないよう腕を大きく振り、地面を思い切り蹴り上げた。夕日が沈んでいく黄昏の中を、スーツを着た男性が寂しそうにとぼとぼと歩いていくのが見えたけれど、あたしは気にすることなく風を切り、駆ける。
 路地を曲がった瞬間、やはり傘を借りるべきだったかもしれない、とあたしはまたもや後悔をすることになった。

   了



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投稿者: teacup.運営 投稿日:2016年12月 8日(木)23時23分2秒 119-170-91-80.rev.home.ne.jp  通報   返信・引用

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